日経平均株価の採用銘柄と個別の影響度合いに関して

(はじめに:今回は日経平均採用銘柄に関して、日経平均へ与える影響を具体的に調べたものです。例えばユニクロが与える影響に対して、トヨタ自動車が与える影響が定量的にどうか等)

流し読みするだけでスラスラ有益な情報が入ってくるため(情報を上げてくださる方には本当に感謝です)、私はTwitterから最新情報を得て、経済・金融関係の流れを何となく把握するように努めています。

最近はNT倍率が異常に高くて、早晩これは修正されるはずだという意見をよく目にします。

そもそもNT倍率という言葉の意味を最近まで知りませんでしたが、Nは「日経平均株価」のイニシャル、Tは「東証株価指数(TOPIX)」のイニシャルで、つまりその関係性を示したものです。

具体的には、日経平均をTOPIXで除した数値で、数値が大きいほど、TOPIXに対して日経平均が強い事を意味します。

昨今、高いNT倍率は、日経平均だけが歪に買われており、相場全体を表すTOPIXは依然として弱く、

「自分の保有銘柄は年初来安値圏外だ!」

「こんなもんはインチキ!先物ショート積み増し!」

という方もおられると思います。勿論見方によっては、日経平均が指数の動きを先行して、後からTOPIXがつられて上昇して、NT倍率が下がっていく可能性もあり得ると思います。

そもそもNT倍率云々以前に、従来から日経平均はファーストリテイリング(ユニクロ)、ファナック、ソフトバンクなどで決まるという意見が多く聞かれ、自分でも何となくそうなんだろうと思っていましたが、

確かにユニクロは株価の値は大きいものの、ソフトバンクと同等以上の値の銘柄は他にもいくつかあり、なぜソフトバンクが大きく取り上げられるのか理解できていませんでした

なので今回、影響度合いを定量的にイメージできるように調べてみました。

まず初めに、日経平均株価とTOPIXの算出のざっくりイメージですが

「日経平均は、採用銘柄数225個を全て足し合わせて、225で割ったもの(色々な補正計算は置いといて)

「TOPIXは、東証一部上場銘柄すべての時価総額をある定数で除したもの」

です。ここで大事なことは、日経平均は採用銘柄の株価を元に計算しているのであって、発行済み株式数、つまり時価総額は全く関係ない。一方、TOPIXは株価ではなく、時価総額を元に計算しているということです。

余談としては、計算手法として、日経平均はNYダウ工業株30種、TOPIXはS&P500のそれぞれの指数と似ています。

従って上記の事から、日経平均は時価総額の大きいトヨタ、NTTというより、株価の高いユニクロに影響を受けやすいという事になります。(ソフトバンクは時価総額でもトヨタ、NTTに次いで3位なので、TOPIXに与える影響も大きいんですね)(注 2018年7月13日時点)

日経平均の算出方法について、更にくわしく示しますと

先ほど上で触れたとおり、実際には単純に採用銘柄の株価を足すわけではなく、「みなし額面」という数値を用いた修正をしたうえで、足し合わせます

本当は更にその後、単純に225で除すわけではなく「除数の修正」がされるみたいですが、今回は、日経平均採用銘柄の影響度合いを相対的に見たいので、それについては省略します。

除数の修正は、株式分割・併合・銘柄入れ替えにともなって、日経平均株価が不連続にならないようにする目的で行われるようです。(最近は、株式分割についてはみなし額面上で補正するようですが)

みなし額面というのは、昔「額面」というシステムがあったものを、現在も便宜上使っているもので、

額面とは・・・2001年に改正されるまで、例えば額面50円の株券を一株あたり50円で取得していたシステムの事を指すらしいです。全く知りませんでした。

額面は50円や50000円など数種類あり、乱暴な言い方をすれば株価の単位みたいなものなんですかね?

例えば50円額面の株式の株価50円と、50000円額面の株式の株価50000円では、値そのものは違うものの、同じ価値ってことになるようで・・・

したがって、システムとしては無くなったものの、今も日経平均株価を算出する上で、その考え方を踏襲するみなし額面というものが、日経平均に与える銘柄を考える上で、キモになります。

つまり上に挙げた例と同様で、

みなし額面50円のユニクロの株価52650円と、みなし額面500円のJR東海の株価22340円は、便宜上単位が異なっているようなもので、仮に、50円額面に単位を合わせるとすると、JR東海の株価は、みなし額面修正後、2234円と10分の1の値になるわけです

では実例として、実際の株価と、みなし額面50円に修正した後の株価を並べて、

修正後の株価が高い順に上から12個並べたものを以下の表に示します。(2018年7月13日時点の株価を使っています)

コード 銘柄名 株価 株価(修正) みなし額面
9983 ファーストリテイリング 52,650 52,650 50円
9984 ソフトバンクグループ 9,722 29,166 50/3円
6954 ファナック 22,065 22,065 50円
9433 KDDI 3,142 18,852 25/3円
8035 東京エレクトロン 18,705 18,705 50円
6367 ダイキン工業 12,865 12,865 50円
4543 テルモ 6,340 12,680 25円
6971 京セラ 6,268 12,536 25円
6762 TDK 11,760 11,760 50円
8028 ユニー・ファミリーマートホールディングス 11,070 11,070 50円
4523 エーザイ 10,870 10,870 50円
4063 信越化学工業 10,415 10,415 50円

なるほど、こうして計算して並べると、ユニクロ、ソフトバンク、ファナックの順番になるわけですね。てかユニクロの存在感大きすぎる。

ソフトバンクはみなし額面が50/3円なので、50円額面に合わせると、実際の株価の3倍の29166円になります。

KDDIにいたっては、みなし額面25/3円なので、6倍の18852円になるので、実際の株価3142円よりも存在感がぐんと上がります。

では逆にみなし額面を用いて修正した後の株価が下位10個(216位~225位)のものを以下の表に示すと・・・

コード 銘柄名 株価 株価(修正) みなし額面
6703 沖電気工業 1,241 124.1 500円
5202 日本板硝子 1,080 108.0 500円
7004 日立造船 514 102.8 250円
5406 神戸製鋼所 1,016 101.6 500円
7211 三菱自動車工業 882 88.2 500円
3103 ユニチカ 612 61.2 500円
8308 りそなホールディングス 599 59.9 500円
9412 スカパーJSATホールディングス 536 53.6 500円
9501 東京電力ホールディングス 509 50.9 500円
2768 双日 398 39.8 500円

なるほど、ユニクロに対して500分の1以下の値になります。

つまり株価が仮に同じ割合で動くとすると、ユニクロと下位銘柄とでは、日経平均に与える影響度が500倍以上違うわけです。

これがよくニュースで耳にする、ユニクロやソフトバンクやファナックによって、日経平均を100円押し上げました のような話になるということです。

もう少し定量的にいいますと、

日経平均採用銘柄225種のみなし額面修正後の株価を全て足し合わせると、608998円になります。

ユニクロは修正後株価(実際の株価と同じですが)52650円なので、608998で除すと、8.6%になります。225種もあるのに、ユニクロだけで8.6%の影響度です。 

また、ユニクロ、ソフトバンク、ファナックを足し合わせると、これら3つで17.1%の影響度に、

みなし額面が10000円以上の上位12種であれば、36.7%の影響度にもなります。

一方、見方を変えると、修正後株価下位100種の合計は49470円なので、下位100種合わせてもユニクロのみに届かないため、影響度は低いということです。

また時価総額が225種中1位のトヨタについても、修正後株価はユニクロに対して約7.2分の1なので、ユニクロが日経平均に表す影響8.6%に対して、トヨタは1.4%にしかならないことになります。

以上です。

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