さて、久しぶりの投稿になってしまいますが
これまで考えていたエリオット波動のカウントを変更したいと思います。
といっても、大局観は変更するつもりはありません(風前の灯かもしれませんが・・)。
これまでの中長期的な波動のカウントについて、詳細は下記の二つの記事に示しております。
日経平均過去チャートエリオット波動分析(~現在①)
日経平均過去チャートエリオット波動分析(~現在②)
概要についていいますと
①スーパーサイクル3波中のサイクル1波の上昇は2015年6月24日で終了し、そこからはサイクル2波による下落(調整)が開始している。←この考えに変更はありません
②サイクル2波中のプライマリーA波は2016年2月で終了し、そこからはプライマリーB波による上昇が開始した。
③プライマリーB波中のインターミディエイトA,B波は2016年6月24日(ブレグジット)で終了し、それ以降はインターミディエイトC波による上昇だと考えていた。
④インターミディエイトC波はマイナーA~E波のダイアゴナルトライアングルと考えられ、そのマイナーD波は2017年4月17日で終了し、そこからはマイナーE波の上昇だと考えてきた。
(このあたりの細かな波動分析は、以前かいたこちらの記事が比較的に見やすいと思います)
上記のこれまでの考え方に対して下記のように訂正いたします。
変更する理由は下記の二つです。
・2016年2月安値よりも6月安値のほうが値が低い事(詳細は後述)
・2016年6月から開始したプライマリーB波中インターミディエイトC波が既に1年半近く継続しており、更には細分化されたマイナー、ミニュットの時間規模の波も一般的に言われている継続時間に対してあまりにも長すぎるため、妥当ではない。
・サイクル2波中のプライマリーA波の終着点は2016年2月12日(ミニ先物値:14805円)ではなく、2016年6月24日(ミニ先物値:14785円)とする。
これに関しては、日経平均現物としては値がほとんど違っていない(それでも6月24日のほうが若干低い)ため、2月12日までとしていたのですが、先物でみると20円違うため6月24日までとしました。
そうしても2015年12月からスタートしたプライマリーA波中のインターミディエイトC波は5つの重ならない推進波として成立します。
・プライマリーB波は2016年6月24日からスタートする。その中のインターミディエイトA波は2016年12月(第一次トランプラリーが一息ついた時:19620円)まで続いた。
そこからインターミディエイトB波による下落がスタートし、これは2017年4月(北朝鮮リスクが散々騒がれたとき:18195円)で終了した。
・2017年4月17日の安値18195円以降は、プライマリーB波の最後の波であるインターミディエイトC波が開始している。
このインターミディエイトC波は重ならない5つの波動で構成されると考えられ、一つ目の波(マイナー1波)は2017年6月20日:20290円で終了。2つ目の波(マイナー2波)は2017年9月8日:19085円で終了。
そこから始まった強烈な上昇を演じているマイナー3波は恐らく2017年11月9日:23430円で終了し、現在はマイナー4波による調整中と考えられる。
これは11月12日に22320円を付けたことから、高値から1110円、率にして約25%下落したことからも伺える。
以上のように波動の数え方を変更してみました。
次に今後の展望について考えてみたいと思います。
〇2017年11月9日高値23430円は、2017年4月から始まったインターミディエイトC波中の3つ目の波の可能性が高い。従ってマイナー4波による調整が終わった後に再度上昇し、23430円を超える最後のマイナー5波が生じる。
※ただしフェイラーで終わる場合、5波が23430円を超えない可能性はある。
〇マイナー5波による上昇が終わったのちは、プライマリーC波の下落が開始する。それは値幅としては数千円~1万円、時間規模としては数百日の大きいものになる。
つまりプライマリーA波の始点をプライマリーB波の終点が超えることになるので、サイクル2波は大きなエクスパンディットフラットまたはランニングフラットである。
さて、ここまで書いてきて何ですが、波の数え方を変更する事や今後の展望を考える上で非常に大きな疑問にぶつかります。
それは・・・「2015年6月の高値はいとも簡単に超えてきたし、こんだけ激しく上昇してるんだから2016年6月でサイクル2波の下落は既に終わっていて、サイクル3波の上昇が始まってるんじゃないの?」
というものです。
もしそうであれば、調整を交えながらも今後息長く上昇が継続していくことになります。
ちまたでは年内または今年度中にも25000円は確実という声も聞こえてきますし、確かにその可能性は十分にあると思います。
風前の灯なのかもしれませんが、それでも私はサイクル2波が終了していないほうにベットします。その理由としては・・・
①サイクル2波が2016年6月24日で終わったとすると、時間規模がちょうど1年になるため、サイクルの波の規模としては少し物足りない。
②2015年6月24日以降の上昇波形が複雑で、力強い推進波5波動と読み取るのが妥当かどうか怪しい。※読み取れなくはないが、これがサイクル3波のスタートとしては釈然としない。
③2015年6月からスタートしたプライマリーA波の値幅は6170円。現在時点のプライマリーB波の値幅は8645円。6170円に対して1.382倍をかけると8527円なので、やや超えてはいるが、フィボナッチ比率1:1.382に近い(現状は1:1.4)。
しかしながら1.382に近いとはいえ、すでに超えてしまっている事は事実です。さらにマイナー5波で23430円を大きく超えてくると、現状の私の予想はより一層雲行きが怪しくなります。
④この度の2017年9月からスタートした上昇は、あまりにも調整なしで上昇しすぎている。本当にここから更に上昇するのであれば、もっと調整をはさみながら腰を据えて上昇するのではないか。これから先の本格的な下落のための振り落とし、序章のように感じる。
⑤これまでは日本株はPERでみて割安だったとはいえ、今後は米国が更に上昇していかなければ厳しい。しかしロシアゲート問題、税制問題、北朝鮮リスク、スペイン、中東リスクなど不安定要素は非常に多い。アメリカ10年債利回りが頭打ち、長短金利差も徐々に小さくなってきているなかで、さらなる上昇には疑問符。
実際問題として、上記のシナリオのどちらか(サイクル2波は終わっていない or サイクル3波はスタートしている)を見極めるのは非常に難しいと思っています。
なぜなら例えサイクル3波がスタートしていたとしてもサイクル3波中のプライマリー2波でサイクル3波の始点:14785円に限りなく近づいてくる可能性もあるからです。
いずれにしろ重要なことは、今回の高値23430円付近を大きく超えてくる可能性は小さく、むしろここから17000円台、または14000円台まで調整することは十分にありえるということです。
それでは次に値幅、時間幅の両面でフィボナッチ比率から定量的な目標値を考えてみたいと思います。
まず値幅から検討しますと・・・(プライマリーB波は便宜上23430円で終了したものとして計算します)
サイクル1波 | 8105円~20955円 | 値幅12850円 |
サイクル2波中プライマリーA波 | 20955円~14785円 | 値幅6170円 |
サイクル2波中プライマリーB波 | 14785円~23430円 | 値幅8645円 |
上記の値幅を元に、今後やってくるであろうプライマリーC波の終着点を様々な条件で算出しました。(プライマリーC波は開始点が23430円であるとして計算します)
プライマリーC波の考え方 | 値幅 | プライマリーC波終着点 | |
条件1 | サイクル1波値幅の0.382戻し | — | 16060円 |
条件2 | サイクル1波値幅の0.5戻し | — | 14545円 |
条件3 | サイクル1波値幅の0.618戻し | — | 13030円 |
条件4 | プライマリーA波値幅と同値 | 6170円 | 17260円 |
条件5 | プライマリーB波値幅と同値 | 8645円 | 14785円 |
条件6 | プライマリーB波値幅の0.618倍と同値 | 5343円 | 18090円 |
このように、フィボナッチ比率と組み合わせると目標値はたくさん出てきます。
(まだまだ0.764戻しや1.236倍など他にもあります)
本当にエクスパンディットフラットが成立すると、プライマリーB波の開始点14785円を下回ってくるので、現在の高値23430円から考えると8645円の値幅になるという、リーマンショック程ではないものの、とんでもないことになりますね。
(※ランニングフラットになれば、14785円よりも高い所でプライマリーC波が終了しますが、そもそもランニングフラットになる可能性は一般的に低いようです)
では時間幅の観点ではどうでしょうか。
サイクル1波 | 2011年12月2日~2015年6月24日 | 883日 |
サイクル2波中プライマリーA波 | 2015年6月24日~2016年6月24日 | 247日 |
サイクル2波中プライマリーB波 | 2016年6月24日~2017年11月9日 | 341日 |
先ほどと同じようにこれら日数にたいしてフィボナッチ比率を用いて、プライマリーC波が終了する日を計算しますと・・・
サイクル2波またはプライマリーC波の日数の考え方 | プライマリーC波終了日 | |
条件1 | サイクル1波日数=サイクル2波日数 | 2019年1月21日 |
条件2 | サイクル1波日数×0.764= サイクル2波日数 |
2018年3月19日 |
条件3 | サイクル1波日数×1.236= サイクル2波日数 |
2019年11月22日 |
条件4 | プライマリーA波日数= プライマリーC波日数 |
2018年11月7日 |
条件5 | プライマリーB波日数= プライマリーC波日数 |
2019年3月26日 |
上記のように、時間幅に関してもフィボナッチ比率を用いて計算することが出来ました。
勿論、これがどの程度確からしいかというと全く持って不透明ですが、ざっくりとした参考になるのではないかと思います。
長くなりましたが以上です。
ざっくりまとめると
①2016年6月24日からスタートしたプライマリーB波は最終局面でいつ終わってもおかしくない
②プライマリーB波終了後は、プライマリーC波の下落がスタートする。プライマリーC波の終着点は18000円~14000円、時期は2019年前後と、値幅、時間規模の両面で大きくなると考えられる。
③リスクシナリオとしては、サイクル2波がすでに終了しており、サイクル3波の長く続く上昇局面に入っている可能性も想定できる。その場合でも14785円~23430円の上昇を調整するサイクル3波中のプライマリー2波の下落は間違いなく起こる。ただし調整が浅いレベルで済むと、バブル高値を目指して上昇加速する恐れもある。