定点観測点(ハイイールド債、ダウ輸送株)と日経平均の関連性考察①

以前、とりあえずのメモという形でこちらに定点観測点をざっと挙げてみました。

定点観測点とは、日経平均の今後の展開を予想する上で参考となるような、日々チェックしていくべき項目のことで、例えば投資主体別売買動向やハイイールド債、アメリカ10年債利回りなど数多くあります。

ですがこれまでなんとなく大事な指標なんだろうなぁと思いつつも、それらが具体的にどういう指標なのか、日経平均に対してどう関連しているのかというと理解が足りていないのが現状です。

そこで自分が大事だと考えている定点観測点の中身と日経平均との関連性について調べてみました。今回は主にハイイールド債、ダウ輸送株指数に関して記述していきます。

ハイイールド債

これまでいろんな情報源を見てきた限り、このハイイールド債が最も重要な指標ではないかと考えています。

ハイイールド債とは、名前の通りハイ(高い)イールド(利回り)な債権です。

本題の前にそもそも株式と債券の違いとは何でしょうか。

普通に生活していたら(日本の普通は世界の非常識なんでしょうが)債権の意味って知らない人のほうが多いと思います。恥ずかしながら私もよく理解していませんでした。

株式と債券は、投資家から資金を集める手段ということや、自由に転売出来るという点では同じですが、株式は元本が保証されず、利息(配当)も別に出さなくてもよいものです。その代わりその会社がどんどん利益をあげて成長していくと株価が何倍にもなる事もあるので、ハイリスクハイリターンであると言えます。

一方、債券は満期が来たら必ず利息とともに元本が返ってきます。つまり元本としては増えもしないし、減りもしないということで、ローリスクローリターンと言われています。

で、ハイイールド債とはどういうものなのでしょうか。

債権には投資する上での判断材料とされるように、「格付け」がなされます。これは国の借金となる国債も同様で、たまに格付け会社が国債の判断を引き下げた というニュースも聞きますね。

ハイイールド債はこの格付けのランクが低い 具体的にはダブルB以下のものを示し、「投資不適格」であるとされます。下手すると会社が倒産するかもしれないので危ない、いくら債権といえども、倒産してしまったら不良債権になって元本を回収できなくなっちゃいます。

でもその代わり利回りが非常に高いです。2016年の情報ですが、アメリカ10年債利回りが2.1%に対してBB格付けのハイイールド債利回りは6.2%(おそらく10年満期のものだと思いますが)もあるため、会社が倒産さえしなければ、非常に魅力的な商品といえます。

これらハイイールド債をどのように指数化しているのかが分かっていないのですが、指数のようなものを一般的にハイイールド債と呼んでいるみたいです。

ではこれがなぜ重要な指標になるのでしょうか。

ハイイールド債は別名「炭鉱のカナリア」と呼ばれることがあります。

炭鉱のカナリアは、以前炭鉱で発生する毒ガスをいち早く検知するために実際に使われていたことに由来しており、つまり「危険をいち早く検知できる」ものです。

ハイイールド債に格付けされる会社ですから、安定格付けされている会社と比べて経営する上での体力が小さいので、景気が悪くなるとそのような会社から倒産していくことになると思われます。したがって市場がリスクを感じると、どのような世界中の指標よりもいち早くこのハイイールド債が下落する事が多いため、重要な先行指標であると言えるようです。

一方、ハイイールド債は原油価格との関連性が強いとよく言われます。

確かに北米シェールオイルに関連する会社の債権がハイイールド債である事が多いようですが、ハイイールド債に占めるエネルギーセクターの割合はその他の業種と比べて飛びぬけて割合が高いわけではないようです。(すいません、具体的にいつの時点の情報か分からないので、現在はどういう構成割合かは把握できていないです、そんなに昔ではないと思うのですが)

したがって「ハイイールド債は下落しているが、これは原油価格が下がっていることが原因だから、大したことはない」と決めつけではいけないってことですね。

以下にハイイールド債の週足チャート(出典:StockCharts.com)を示します。

ハイイールド債20170709_週足

また参考として比較するための日経平均チャートを以下に示します。(エリオット波動分析をしたもので見づらいですが)

スーパーサイクル3波①

ハイイールド債は2015年3月からのチャートしか見えませんが、それでも以下のことが言えそうです。

①日経平均は2015年6月に高値をとり、さらに8月にもほぼ同値あたりまで上昇したがそこでダブルトップとなり調整を開始した。ハイイールド債は横ばいを経て6月頃から下落しだしたため、日経平均に対して先行した。

②ハイイールド債、日経平均ともに2016年2月に安値をつけたが、ハイイールド債はそこから急反発し、現在に至るまできれいな上昇がみられる。一方日経平均はだらだらとレンジ相場が続き、ブレグジット、トランプショックを経て11月から本格上昇した。この意味でもハイイールド債が先行したと言える。

では現在のハイイールド債はどうかと言いますと、これに関しては別記事で日々のチェックを行うつもりですが、2017年7月15日時点、戻り高値奪回と右肩上がり更新中です。

こりゃ2017年中の日経平均の本格調整はなさそうですね・・・。

ダウ輸送株指数

掲示板、ブログ、ツイッターを見ていると、「ダウ輸送株指数」を重視してチェックされている人もかなり多いようです。

ではダウ輸送株指数とはどういうものでしょうか。

これもほとんど聞いたことがない指標でしたが、アメリカ株を主にやっていらっしゃる人にしてみたら、当たり前のようにチェックすべきもののようです。

ダウ輸送株とは、鉄道、海運、運送、航空などの業種を代表する銘柄20種で構成される指数です。ざっくりいえば「輸送」に関する銘柄ということですが、なぜこれが重要になるのでしょうか。

私は下記のように理解しています。

1点目の理由はモノを運ぶということが、製造業にとって「出発点」となるからだと考えています。

例えば自動車を製造するためには、鉄、アルミ、ハーネス、樹脂、ガラス、触媒、モータなど製品を形作るための原材料が必要になってきますが、これらがアメリカ国内で輸送されたり、海外から輸入、輸出したりします。

したがってこのモノを運ぶ業種の景気が悪くなる(株価が下落)ということは、製造業が後々に景気が悪くなるシグナルになるわけです。

2点目の理由は、モノを運ぶのが活発ということは、それだけアメリカの内需が活発に動いているということです。

例えば個人がAMAZONでモノを買ったり、企業が設備投資のために新しい機械を導入することが活発であれば、購買意欲がある、景気が良いということになります。

そして日経平均とどう関連しているのかについてですが、日本の外需産業の多くは「アメリカの景気次第」だと考えられます。

よく北米一本足打法なんて揶揄されたりしますね。勿論企業としてどこかに偏重するのはよくない(北米がダメになったら途端につぶれてしまう)ですが、中国が以前のように爆食いしてくれなくなったことから、以前よりも増して日本の企業はアメリカ次第とならざるを得なくなってる気がします。

したがって、ダウ輸送株指数が日経平均に対して先行指標となるわけです。

しかし一つ疑問に残ります。今やアメリカ株の時価総額上位はいわゆるFAAMG(フェイスブック、アマゾン、アップル、マイクロソフト、グーグル)はIOT企業だから、物流とはそれほど関係ないんじゃないか ということです。

(アマゾンは物流そのもの、マイクロソフト、アップルは一応モノづくりをしているので、関係ないわけではないですが)

これから社会が製造業⇒IT、サービスに重要性が移っていく中で、ダウ輸送株指数が先行指数とならない時が来るかもしれませんが、

なんだかんだいって、今はまだモノを作って、モノを消費してなんぼの世の中ですので、大丈夫だろうと思います。

それでは具体的にダウ輸送株チャートを見てみると

ダウ輸送株指数20170709_週足

これはすごいですね、ハイイールド債よりもダウ輸送株指数のほうが日経平均の先行指標となっています。理由を箇条書きしますと

①ダウ輸送株高値は2014年11月ごろで、2015年はほぼ一貫して下落した。つまり2015年6月に高値をとった日経平均に対して半年先行した。

②日経平均は2015年12月に20000円を一瞬回復するなど戻り基調に見えたが、ダウ輸送株はもみ合ったのちに2015年末から急落している。したがって2016年初から暴落した日経平均に対して先行したことになる。

③逆にダウ輸送株は2016年初に安値を付けた後、急速に反発した。ブレグジットでつまづいたものの、ほぼ現在(2017年7月時点)まで上昇し続けている。一方日経平均はブレグジットまではもみ合い⇒下落でブレグジット以降にようやく上昇しだした。

これを見ると日経平均はハイイールド債よりもダウ輸送株のほうに引っ張られていると言えそうですね。

まとめ

今回は日経平均の先行指標として最も重要だと考えられるハイイールド債とダウ輸送株指数について調べてみました。

特にダウ輸送株について、日経平均に対して数か月先行している事が伺えました。

本来あるべき姿としては、日本も日本国内の内需を活発にして、外国でモノを買ってもらわなくてもやっていけるような体制になったほうがいいと思いまうが、現実無理がありそうです。

それで日経平均は、ハイイールド債、ダウ輸送株の現状からすると今後どうなっていくかというと・・・

二つとも戻り高値更新中で、一向に落ちてくる気配がありません。200日移動平均線を下回らない限りは大丈夫そうですね。

私はかれこれ半年以上日経225に対して売り目線だったのですが、勉強不足を反省しなければならないです。

2017年中の日経225暴落はなさそうですね。やはり暴落を待ち望んでいる人たちを根こそぎ焼き払って、もう買うしかないのか!と思わせた後に、みんなが安心したときにやってくるのが暴落なんでしょうね。

スポンサーリンク
レクタングル大
レクタングル大

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク
レクタングル大