現在隔週で日経225のエリオット波動分析を行っていますが、日経225の道筋を占う上で参考にすべき米国指数の現在位置もチェックしていきたいと思います。
具体的にチェックしていきたい米国指数は、
①ハイイールド債
②ダウ輸送株指数
③ナスダック
④VIX
上記について日足、週足のチャートを眺めて、移動平均線に対して上下どちらに位置しているか、乖離率がどれくらいか、移動平均線、RSIの傾きなどをざっくりと見ていきます。
そしてざっくりとチャートを見たうえで、「強気」「中立」「弱気」のいずれかに評価を行い、自分の投資判断の指標としたいです。
そもそもなぜこれらの米国指標のみをチェックしていくか、日経225に対して先行指標となり得るかについては、別の記事でまとめるつもりです。
①ハイイールド債(判断:中立)
炭鉱のカナリア ハイイールド債の日足、週足チャートを示しました。(上日足、下週足)
週足に関しては移動平均線、RSI、MACDともに特に問題なさそうです。
日足を見てみると、6月14日?に高値を付けた後、比較的大きな陰線をつけるなど乱高下しています。現在50日線上まで下がってきていますが、2週間前同様この50日線で反発するか注目です。
RSIは下に向いているため、このまま高値奪還出来ずにもたもたしていると、移動平均線も下向きに切り替わり、上昇トレンドから下降トレンドに入ってしまう可能性もありそうです。
したがって現在の分析結果としては「中立」です。
ちなみに過去を振り返ると、2015年5月から2016年2月まで一転して下げ続けるなど、日経225に対してしっかりと先行指標として成立していることが伺えました。(日経平均は2015年6月、8月にダブルトップ形成)
②ダウ輸送株指数(判断:強気)
次にダウ輸送株指数の日足、週足です。(上に日足、下に週足)
ダウ輸送株は2017年3月~5月ごろ、強かった波形から50日線が完全に下向きになるなど弱い形になりましたが、5月に200日移動平均線にタッチしたのちに反転、逆に高値更新となるなど、現在非常に強い形です。
まぁ弱いと言っても200日線は完全に上向きなので、長期的に弱気になったわけではなく、長期的には強気を維持した状態における短期的な弱気(調整)だったと考えられます。
評価としては文句なしの「強気」ですが、50日移動平均線からずいぶんと上に位置しているので、移動平均線に漸近するような軽い調整はあってもおかしくなさそうです。
③ナスダック(判断:中立)
次にナスダックの日足、週足チャートを示します。
ナスダックの波形は一番上で示したハイイールド債と近しいようですが、日足チャートにおいて50日線を割り込んで数日立つため、より形が弱いと言えそうです。
ただし週足は十分に強く、日足でも先日大陽線をつけたり、50日線も上向きであるため、今後乱高下しつつ高値を回復する可能性もありそうです。50日線がこうべを垂れだしたら「弱気」ですが、現時点では「中立」と判断します。
☆まとめ
今回は①ハイイールド債:中立、②ダウ輸送株指数:強気、③ナスダック:中立と評価、判断しました。総合的には「強気」ではないかと考えています。
掲示板では「高い高いと言われている米株がいつ大きな調整に入ってもおかしくない」とよく言われており、実際に2015年、2016年の大きな下落と同等以上の規模の調整がいつやってきてもおかしくないと思いますが、
現時点ではチャートは強いためその心配はなさそうです。
それは大幅調整する前に、上記の重要指標が何らかのアラームを出してくれる確率が非常に高いからだと認識しています。
これまで2017年秋までには間違いなく全世界同時に大きな調整がやってくると思っていたのですが、「チャートの形」で見てみるとまだ心配なさそうです。
もしかしたら投資家の心理に2015年、2016年の下落のイメージが薄まった後に、2018年以降で調整するのかもしれません。